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読み方が一番多い名字はな~んだ?! なんと36通りも【コラム】

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外国人が日本語を勉強するにあたって一番頭を悩ませるのが漢字。画数の多い文字を覚えることさえ大変なのに、1文字に対して読み方が1つではないから頭が混乱するのも仕方ありません。たとえば、「生」という漢字を見てみましょう。漢字文化資料館によると、読み方は実に150種類以上もあるんだとか。「人生」と書けば「せい」と読み、「一生」なら「しょう」、「誕生」なら「じょう」、「生憎」なら「あい」、「生まれる」なら「う」、「生きる」なら「い」、「生ビール」なら「なま」といったように、ちょっとあげただけでも次々と出てきます。

漢字にはまず、「音読み」と「訓読み」があります。これだけでも外国人にとって覚えるのが大変なことなのに、音読みの中にはさらに「呉音」「唐音」「漢音」があって、かなり複雑化しています。こうなると外国人のみならず日本人でさえ頭を悩ませます。名字も漢字を使っていますから、当然読み方もいろいろ出てきてしまいます。

たとえば「角田」。わたしの同級生には「かくた」さんと「つのだ」君がいました。このほかにも「すみた」「かどた」など複数の読み方があります。同じ漢字文化圏の韓国では、「金」はキム、「李」はイ、「朴」はパクといったようにひとつの漢字に読み方は一通りが原則となっています(「金」は稀に「クム」と読む方がいます)ので、読み方で悩むことはほぼありません。

栃木県にルーツを持つ「大豆生田」

では、日本の名字で一番読み方が多い名字はなんだかご存知ですか? 数は正確とはいえませんが、栃木県にルーツを持つ名字である「大豆生田」とされており、実に36通りの読み方があるとされています。

名字由来netによると、「現栃木県である下野起源とも言われる。近年、栃木市など栃木県に多数みられる。大豆の植えられた田んぼが地名になり、姓氏に使われるようになった。山梨県などに地名がみられる。なお簡略苗字に大豆田氏が存在し、やはり栃木県に集中して多い」。日本姓氏語源辞典では、「栃木県、東京都、埼玉県。オオマミウダ、オオマミュウダも含む分布。オオマエダ、オオマメセイタ、オオマメダ、マミウダは稀少。神奈川県横浜市でオオマエダ、茨城県那珂郡東海村でオオマメセイタ、栃木県でオオマメダ、マミウダが存在。地形。大きな豆と田から。栃木県栃木市薗部町に江戸時代にあった。同地では新田氏の後裔と伝える。新田(にった)参照。栃木県栃木市では皆川氏の家臣が帰農したとの伝承あり。推定では戦国時代。栃木県栃木市大平町川連では農業に従事していたと伝える。推定では江戸時代。栃木県下都賀郡壬生町福和田では真生田姓から江戸時代に改姓した例もあったとの伝あり。真生田(マミウダ)参照。山口県山陽小野田市小野田あさひが丘では功績により「大」の字を賜って豆生田姓から改姓したと伝える。時代、位置不詳。豆生田(マメウダ)参照。福島県郡山市大槻町は1404年(応永11年)に「大豆生田」の語形で記録のある地名。大槻はオオツキ。大豆生田の推定での発音はオオツキダ。栃木県大田原市大豆田は江戸時代に記録のある地名。地名はオオマメダ」とあります。

ひと昔前の名字関連本にとりあげられていた読み方は27通り(※)。丹羽基二氏が監修した「日本姓氏大辞典」に出ている読み方が、まさに27通りです。

しかしながら名字由来netにはなんと31種類が出ています。

①おおまめうだ  ※
②おおまみうだ  ※
③おおまみゅうだ ※
④おおまえだ
⑤おおまめだ
⑥まみうだ
⑦おいまにゅうだ ※
⑧おおつきだ   ※
⑨おおましょうだ ※
⑩おおまにだ   ※
⑪おおまにゅうだ ※
⑫おおまみうた  ※
⑬おおまにゅだ
⑭おおまにいだ  ※
⑮おおまにうた  ※
⑯おおまにうだ  ※
⑰おおままみうだ
⑱おおまめいくた
⑲おおまめおだ  ※
⑳おおむた    ※
㉑おおむだ    ※
㉒おおもうだ   ※
㉓ほめまいきた  ※
㉔ましえだ    ※
㉕ましょうだ   ※
㉖まにうた    ※
㉗まにうだ
㉘まにゅうだ   ※
㉙まみやわだ   ※
㉚おおまみえだ
㉛まめおだ    ※

㉜おおまみうだ  ※
㉝まみゅうだ   ※
㉞まめだ     ※
㉟まめぶた    ※

㊱おおまめせいた

上記に示した㉜~㉟は日本姓氏大辞典には載っているものの、名字由来netには記載がないものです。㊱は日本姓氏語源辞典だけに記載されている読み方です。ということで、読み方としては全部で36通りとなります。現在、この読み方すべてが実在しているかどうかは正直なところ調べようがありませんが、いずれにしてもすさまじい数です。すべてを覚えるのはとても無理ですよね。

日本語の単語で唯一「みゅ」という発音

しかもこの読み方のうち、「おおまみゅうだ」「まみゅうだ」などで使われる「みゅ」という音が、外来語を除く日本語の単語で使われるのは、この名字が唯一なのです。名字由来netのランキング的には7946位ですが、こういった意味ではまちがいなく「稀姓」といえるのではないでしょうか。

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