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第105回全国高校野球選手権大会出場選手の珍姓稀姓トップ30!【ランキング】

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第105回全国高校野球選手権大会に出場する全49校の選手たちの珍姓稀姓を当サイトではいろいろと紹介してきました。今大会も「焔硝岩」(えんしょういわ)、「下醉尾」(しもえのお)といった珍しい名字がズラリ。ネットでも話題になりました。そこで、今大会に出場した選手の珍姓稀姓トップ30を改めて紹介します。名字由来netでも同じようにトップ30を出していますが、当サイトとは微妙に順位が違います。その理由もあわせて解説しておりますので、ぜひとも最後までお読みください。

名字(よみかた)全国順位/全国人数学校名
入耒田(いりきだ)-/-神村学園(鹿児島)
麹家(こうじや)86,084位/およそ10人市和歌山(和歌山)
下醉尾(しもえのお)77,670位/およそ10人九州国際大付(福岡)
浅面(あさめん)57,160位/およそ30人仙台育英(宮城)
高陽(たかひ)54,661位/およそ30人鳥栖工(佐賀)
芦硲(あしさこ)49,226位/およそ40人星稜(石川)
洗平(あらいだい)49,149位/およそ40人八戸学院光星(青森)
浅嶋(あさじま)45,286位/およそ50人九州国際大付(福岡)
湯中(ゆなか)44,138位/およそ50人鳥取商(鳥取)
向段(むこうだん)41,334位/およそ60人創成館(長崎)
深河(ふかがわ)41,243位/およそ60人鳥栖工(佐賀)
齊賀(さいが)41,226位/およそ60人星稜(石川)
焔硝岩(えんしょういわ)40,992位/およそ60人おかやま山陽(岡山)
延末(のぶすえ)37,942位/およそ70人慶応(神奈川)
砥出(といで)34,764位/およそ80人智弁学園(奈良)
寿時(すとき)34,163位/およそ80人花巻東(岩手)
平太(ひらた)33,617位/およそ90人東海大熊本星翔(熊本)
打野(うちの)31,790位/およそ100人共栄学園(東東京)
年綱(としつな)30,841位/およそ100人社(兵庫)
上迫田(かみさこだ)30,086位/およそ110人専大松戸(千葉)
満川(みつかわ)29,884位/およそ110人宮崎学園(宮崎)
専徒(せんと)29,427位/およそ110人星稜(石川)
段田(だんだ)29,416位/およそ110人鳥取商(鳥取)
足谷(あしたに)29,239位/およそ110人富山商(富山)
畑垣(はたがき)28,217位/およそ120人八戸学院光星(青森)
圖師(ずし)27,734位/およそ120人宮崎学園(宮崎)
四島(ししま)26,094位/およそ140人創成館(長崎)
河関(かわせき)25,919位/およそ140人社(兵庫)
幌村(ほろむら)25,754位/およそ140人北海(北海道)
植上(うえがみ)23,438位/およそ170人英明(香川)

当サイトのトップ30は、以上のような結果になりました。

1位は名字由来netに登録がない超レア姓

栄えある1位に輝いたのは、鹿児島・神村学園の「入耒田」(いりきだ)選手。名字由来netに登録がない珍しい名字です。「耒」というあまり見慣れない漢字が使われていることがその理由といえます。音読みでは「らい」、訓読みでは「すき」と読み、つまり農具の鋤を意味します。

2位には市和歌山の麹家(こうじや)選手がランクイン。これまた全国におよそ10人しかいないという、これまた非常に珍しい名字です。そして3位は福岡・九州国際大付の「下醉尾」(しもえのお)選手。「醉」という字もなかなかお目にかからない文字ですね。「酔」の異体字で、意味は同じ。初見で読み当てるのはかなり難しいと思われます。ちなみに、パソコンで「しもえのお」と打って変換したら一発で出ました。

一方、名字由来netのランキングでは、1位が麹家選手、2位が宮城・仙台育英の浅面(あさめん)選手、3位が佐賀・鳥栖工の高陽(たかひ)選手という結果に…。入耒田選手は10位、下醉尾選手は22位となっています。

では、当サイトと名字由来netで、なぜこれほどまでに順位に差が出てしまったのでしょうか? 

答えは簡単。名字由来netは、入耒田、下醉尾両選手を入田、下尾という表記でランキングを弾き出しているからです。

入耒田選手について言えば、耒を音(らい)が同じである来に変え、入来田に変えてしまったのです。確かに同じように入来田と表記しているメディアがたくさんあるのは事実です。しかしながら、「耒」は「来」の異体字ではないため、入来田と表記するのは甚だ疑問と言わざるをえません。ちなみに試合を中継したNHKや朝日放送、さらにネット媒体の球歴ドットコムなどはきちんと「入耒田」としています。下醉尾に関しては「醉」が「酔」の異体字であるため、仕方ない部分はあるかもしれませんが、個人的には同意できません。

名字を専門的に扱っている名字由来netが入来田、下酔尾とするのは、やはり問題と言わざるをえません。はっきり言って、あまりにお粗末…というかありえないミスに匹敵するレベルです。

字体の違いに対する意識が低い名字由来net

名字、特に珍姓稀姓を研究・蒐集している者にとって、新字体、旧字体、異体字といった字体の違いは、極めて重要な部分であり、よ~く目を凝らして区別する必要があります。事実、名字由来netでも、渡邉・渡邊・渡辺や斎藤・齋藤・斉藤などの名字は別の名字として扱っており、順位もそれぞれ違います。

このほか、真・眞、島・嶋・嶌、峰・峯、徳・德、崎・﨑・嵜など、表記を区別している例はたくさんあります。区別して分類しているということは、当然のことながらランキング順位にも大きな影響が生じるわけです。

重要だといったのは、順位に影響が出るからという理由だけではありません。私はかつて民俗調査の一環である地方の村を訪れた際に名字の研究をしたことがあるのですが、本家と分家とで違う字体を使っているケースがあり疑問を持ったことがありました。聞けば、分家の人間がなにか悪さをしてしまったため、本家と同じ文字を使うことを許してもらえず、同じ読み方ではあるものの字体を変えることになったそうです。このように字体の違いには、民俗学的な深い意味合いが含まれているケースがあります。

また、私の知り合いに「画数」を大事にしているので、あえて略字体を使わず画数の多い旧字体を使っている人もいました。このように文字の違いには、さまざまな理由が隠されているわけです。よって、安易に入耒田を入来田に、下醉尾を下酔尾に置き換えることは認め難いことなのです。

繰り返しますが、名字由来netでは、字体が違えば別の名字として分類しているわけですから、文字表記に対しては特に敏感にならなければいけないはずです。しかしながら、名字を専門的に扱っているサイトにもかかわらず、その辺に対する意識が極めて薄いのが残念でなりません。

名字由来netは確認作業をしていないのかな?

入耒田選手に関していえば、テレビ中継したNHKや朝日放送などが、きちんと入耒田と表記していることは先程書きましたが、バックスクリーンのボードに出てきた選手名も入耒田です。下醉尾選手も同様で、本人のInstagramも彼の出身である福岡ボーイズのFACEBOOKでも下醉尾と表記しています。

こうした事実がありながら、名字由来netはなにゆえに、入来田、下酔尾としているのでしょうか? おそらく何かの資料を参考に、順位をサクサクっと調べてランキング順に並べただけ。テレビの野球中継をチェックしたりとかはまったくしていないんでしょうね。テレビ中継を確認さえしていれば、名字由来netの順位付けがおかしいことに気付くはずです。

これらの名字は、ネット民たちをもざわつかせました。yahoo!のリアルタイム掲示板では、「入耒田 NHKだとこの表記だったのですが、他局ではどう表示されていたのか」「入耒田の耒って見たことない漢字だな こんな字あるんだ」「入耒田とかいう多分神村学園にしか存在しない苗字」「今日の高校野球の試合で登板した投手の名前難しいな~全く読めない!下醉尾 しもえのお と読むそうです」「父が高校野球を見ていて、苗字が読めないって話から…よーくTVから聞こえる言葉を気にしていたら下醉尾(しもえのお)さんだった。 難しいねぇ。。」といったコメントが見られました。

また、スポーツ報知ネット版は12日、「【甲子園】全国に約10人!珍しすぎる名字の投手登板にネット騒然『ガチレア苗字』『やはり読めない』」という記事を配信しており、下醉尾選手を取り上げています。yahoo!のリアルタイム掲示板でも、一般の方々もみんな下醉尾という表記を書いて盛り上がっています。なかには下酔尾と書いている人もいるにはいましたけど…。

このほかにも、名字研究家の森岡浩氏が、Yahoo!に「夏の甲子園に出場する珍しい名字の選手達」と題して、東日本編と西日本編に分けて記事を掲載しているのですが、やはりこちらも残念なことに下酔尾と表記しています。ただし、同記事では「選手名簿はAERA増刊号『甲子園2023』を使用、本記事では漢字の新旧字体は同じとみなした上で、読みによってランク付けしてある」と断り書きを入れています。新聞記事においては、旧字体や異体字を使わず新字体で表記することが一般的なので、AERA増刊号も「酔」を使ったのでしょう。

すべての名字で調べ上げるのは時間もかかりますし、どれが正しい表記なのかわからないケースもたくさん予想されるだけに、森岡氏の記事のように期限が決まった中で記事を書きあげるためには、上記のような断り書きを入れることによって、批判を回避することはよくある手法です。しかし、名字由来netの場合は、そういった断り書きがありません。

ちなみに、入耒田という姓については、名字由来netに登録がありませんが、きちんと存在していることは間違いありません。詳細は関連記事を読んでみてください。

上に示した入耒田や下醉尾といった名字以外でも当サイトでランクインした齊賀や圖師などについても、名字由来netはランクインしておりません。おそらく斉賀や図師として扱っているのでしょう。

圖師選手については朝日放送も圖師ですし、地元のUMKテレビ宮崎も「夏の甲子園 初出場・宮崎学園は初戦に向け調整」という記事の中で圖師と表記しています。齊賀選手についても朝日放送はきちんと齊賀と表記しています。

浅嶋にいたっては見落としか

さらに、当サイトで8位にランクインした浅嶋(あさじま)については、4万5000位台という非常にレアな名字にもかかわらず、名字由来netのランキングでは完全に欠落しています。推測ですが、おそらく浅嶋という字面も、読み方も決して難しいものではなく、一見するとレアな感じがしないため、見落としてしまったのでしょう。だとすれば、これまたなんともトホホ…な話です。名字をある程度、研究していれば、たとえ簡単な漢字、平凡な読み方であっても、「ん? この名字は珍しいんじゃないか」と普通はひらめくものです。名字専門のサイトが反応できなかったとすれば、あまりにも悲しすぎます。浅嶋選手が名字由来netの記事を読んだら「なんで俺の名字がランキングに入ってないんだ」とがっかりしてしまうかも…。

話しは変わりますが、ランクに入れることができずに残念だったのが、滋賀・近江の小竹雅斗選手。「こたけ」が一般的な読み方ですが、彼の場合は「しのう」と読みます。名字由来netは漢字の表記で順位が決まるため、「小竹」という表記では、1155位ととても多い名字となります。よって除外しましたが、「しのう」はかなり珍しい読み方です。一発で読める人はほとんどいないのではないでしょうか。

余談ですが、森岡氏は西日本編の記事で「今回出場している選手の中では、この他、英明高の丸與(丸与)選手」と香川・英明の丸與昊大(まるよ・こうだい)選手の名字を取り上げていましたが、丸與選手は予選には出場しておりましたが、甲子園ではベンチ入りしておりません。もし出場していれば、4位に入る珍姓稀姓でした。

【全国順位】 77,275位
【全国人数】 およそ10人
 出典:名字由来net

最後に、東京学館新潟(新潟)の監督さんの名字、旅川(たびかわ)は22位に相当するレア度ですが、選手ではないのでランキングからは除外しております。

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