岐阜市の陸上自衛隊射撃場の小銃発射事件で、陸自は６月１５日、死亡した２人の隊員の氏名を公表しました。うちひとりは菊松安親（きくまつ・やすちか）１等陸曹（５２）でした。
菊と松という日本ではおなじみの植物の名前が並んだ名字で、読み方も特段珍しいものではありませんが、非常に少ない名字です。名字由来ｎｅｔによると、「東鑑に見え、伊達家臣にみられる。近年、宮崎県に多数みられる。『菊』は岫（くき）のことで、洞や崖になった谷の意味」とあります。
またもや名字由来ｎｅｔによく出て来る不親切かつ意味不明な解説。いきなり「東鑑」とかかれても、普通の人にはわかりませんよ。「とうかん？ なに？」と思う人も多いかと…。「東鑑」（あづまかがみ、「吾妻鏡」という表記もあります）は、鎌倉幕府の前半を扱った歴史書のことです。
そして「菊は岫のこと」とありますが、その根拠はなに？ なぜ岫が菊に変わったのかを解説してくれないと…。そうしなければ、「菊」のつく名字はみんな「岫のこと」という解説になりかねません。そもそも、岫（くき）とはなんぞや。私自身も知りませんでした。音から「茎」と関連しているのかと思いましたがまったく関係なし。 山の斜面やがけにある洞穴のことなんだそうです。ますます意味が分かりませんね。しっかりとした解説をお願いしたいものです。
日本姓氏語源辞典では「宮崎県。菊池姓あり。宮崎県宮崎市高岡町飯田に分布あり。菊池（きくち）参照」とあります。
ちなみに菊松１等陸曹も宮崎県の出身でした。謹んで故人のご冥福をお祈り申し上げます。
